地震で感じた小売店と顧客

昨日、大阪北部で震度6弱の地震が発生し多くの被害が出ています。

私は当日、偶然とあるオープン前のGMSにおり、直後の店内、オープン後の店外で

多くの事案に出くわしました。

特に印象的だったのが顧客と店員(社員と思われる)とのやり取りでした。

 

8時前に「どっかん」というものすごい音があり、私は「店舗にダンプカーでも突っ込ん

だのかな~?」程度に感じました。瞬間に電源が落ち棚から大量の商品が落下、

ビン類の飲料が大量に割れ床一面に流れ出しました。天井からはスプリンクラー?

配管漏れ?の水が無数に落ちてきました。騒然としましたが人的被害はなく片付けが

程なくして始まりました。

外を見ると多くの人が来店していました。

当然、店舗はオープンできずに閉店状態が続き、結果終日閉店になったようです。

 

その中で、顧客対応に多くの問題が発生していました。

まずは、オープン時間にオープンしない理由が全く顧客に知らされていないことです。

聞くところによると、多くの住宅で断水が発生しており水を買い求め来店された人が

ほとんどでした。中には数店舗廻ったがすでに売り切れでこの店舗まで来たという

人もいました。にも関わらず入り口には「本日の営業は終了しました」の立て看板のみ。

「なぜ営業しないのか?」と不快がる人が多くいました。

この時思いました。

食料品を売る店舗は、顧客にとってのライフラインなんだと。

こんな時こそ人様の役に立たないようでは意味がないのだと。

飲料限定でも店外で販売できないものなのか?という想いでした。

 

店内には責任者もおり、定期的に災害訓練も実施している企業で、店内にはあちら

こちらに災害組織図とかヘルメットとか消化器とかが置かれ掲示もされていますが

全く役に立っていない印象でした。

当然地震マニュアルもあるでしょう。にも関わらず、店内にいる店員の安否確認も

行われず、なんの指示も出ず時間だけが経過していったように記憶しています。

結果、店内の対応にしか目が向かず、顧客を放置してしまったのだと思います。

数時間後に「地震の影響で・・・本日終日閉店します」の張り紙がされました。

 

次に気になったのは「明日は営業するのか?」というお客さんとのやり取りでした。

店員の回答は「明日改めて張り紙でお知らせします」というものでした。

これに対し「店に来ないと確認できないのか?」「ホームページで告知しないのか?」

という問に、「店舗にお越しください」と告げていました。

この企業はデジタルツールを多く活用していますが、店舗と顧客とのコミュニケーション

は未だにアナログであり、顧客に多大な不便を掛けているという自覚がないのだなと

感じました。

 

ここが本質なんですね。

顧客は「欲しい情報を自分が使うツールで見たい時に確認したい」のです。

それが災害情報だろうが、セール情報だろうが同じなのです。

ここにアジャストできていないのが、今の小売業の問題です。

私が常々警告している「折込チラシの無駄使い」も同じことです。顧客が必要としていない

ツールで情報発信しても顧客には届かないということです。

分かっているけどできないという声も店舗側にはあります。そう、運用できないのです。

人材もノウハウも、時間もないのです。

しかしながら、顧客は進化と細分化を続けています。

 

「欲しい情報を、自分が使うツールで、見たい時に確認できる」店舗が一番使い勝手の

いい店舗、行きたい店舗、役に立つ店舗になっていることを自覚すべきです。

プッシュする情報ではなくプルされる情報に価値があり、その環境を整えることが

顧客満足度を上げる唯一の方法になっていることを小売店には知ってほしい。

そんなことをはっきりと感じた出来事でした。

 

被災された方には心よりお悔やみ申し上げます。

 

 


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